最近よく耳にする仮想通貨関連の言葉の中にフィンテックがあります。
このフィンテックとは、一言で言うとITと金融サービスをあわせたもので、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語を意味します。
フィンテックは、この他従来の金融の慣習や業界構造を破壊するという意味も持っており、いずれにしても革新的なものとしてフィンテックと言う言葉が存在しています。
具体的には、パソコンで行うインターネットバンキングやスマホアプリを使った預金や資産運用など、日常生活に浸透している金融サービスのいくつかがフィンテックによって変化しています。
この記事では、そんなフィンテックの技術を活用したアプリやサービス10種類について、それぞれの特徴や機能などについて詳しく紹介していきます。
きっとこれを読めば、具体的にどんなサービスがフィンテックによって活用されているのか知ることができるでしょう。
フィンテック技術を活用したアプリ10選
フィンテックは金融サービスの革新的な技術です。
ここでは代表的なサービスとして国内外で展開されている10種類のアプリを紹介していきます。
それぞれの名前は下記の通りです。
- Wealth Navi(ウェルスナビ)
- Theo(テオ)
- bitFlyer(ビットフライヤー)ウォレット
- マネーフォワード
- zaim(ザイム)
- FOLIO(フォリオ)
- STREAM(ストリーム)
- ONE TAP BUY(ワンタップバイ)
- トラノコ
- StockPoint(ストックポイント)
これらは、投資の操作や家計簿、仮想通貨の管理と言った従来の金融サービスを革新するものや全く新しい金融サービスを創出したものなど多彩な特徴を持っています。
それでは一つずつ見ていきましょう。
Wealth Navi(ウェルスナビ)
WealthNaviはロボアドバイザーと呼ばれる自動で資産運用を行ってくれるアプリです。
このWealthNaviは、従来専門家が関わり高い報酬を支払う必要のあった資産運用を自動で行い、適切なタイミングで利用者の資産を最適な配分に分け、投資を行って資産を増やしてくれるという特徴があります。
投資対象は以下の通りです。
- 国内外株式
- 米国債権
- 米国不動産(REIT)
- ゴールドなどコモディティ(商品)
- 法定通貨(米ドル)などの為替相場
元本割れのリスクはあるものの、従来は最低数百万から数千万円の資産が対象だった資産運用を10万円からと言う破格の値段で行うことができるフィンテック技術を利用したアプリです。
Theo(テオ)
Theoも先ほど紹介したWealthNaviと同じく投資一任型のロボアドバイザーです。
WealthNaviとの違いは、より多くの種類の分散投資、利用しやすさにこだわった設計、より少ない金額からのスタート可能といった点で、WealthNaviよりも気軽に利用でき、お小遣いの運用にも利用できるようなサービスです。
40種類ものETF(上場投資信託、複数の株式などの資産の銘柄を買い付けパッケージングしリスクを分散している金融商品)を利用することで世界86の国と地域にされ、最終的な投資対象は11,000銘柄以上というより多くの分散投資が可能となっています。
また、質問形式で答えるだけで最適な運用を行ってくれることや1万円程度からスタートできることから、より身近により分かりやすくフィンテックによって資産を運用してくれるアプリです。
bitFlyerウォレット
bitFlyerウォレットは日本有数の仮想通貨取引所であるbitFlyerが提供するアプリです。
金融の秩序を革新する仮想通貨を扱ったフィンテック技術を利用し、仮想通貨を購入して保管しておく場所であるウォレットの機能を持ったアプリになります。
仮想通貨は取引所にも預けておくことはできますが、いつハッキングに遭って流出しないとも限りません。
そういった意味で仮想通貨を自分の手元に置いておく仕組みが必要となります。
そういった場面で活躍するのがbitFlyerのウォレットアプリです。
オンライン、オフライン両方で使用可能なので、取引所とは切り離されたサービスですから万が一取引所(この場合bitFlyer)が潰れるといった事態が発生しても問題なく使用できます。
マネーフォワード
マネーフォワードは複数の銀行口座を一括管理できる家計簿および資産管理を行うためのアプリになります。
入出金の流れはもちろん食費や光熱費などの用途を分類することもできますから、分かりやすい家計簿を作成することも可能です。
フィンテック技術をふんだんに使っており、レシートを撮影するだけで自動入力される機能や送受信には256bit SSL暗号化通信を採用しセキュリティも高く設定されています。
銀行口座も登録はIDとパスワードを入力するだけの1ステップで、後は自動で取り込みが行われていくというスムーズさも魅力です。
単なる家計簿ではなく、フィンテックの技術により様々な情報を自動で取得、整理してくれるのも特徴と言えるアプリです。
zaim
Zaimは家計簿という特化したフィンテック技術を使用したアプリです。
家計簿に特化している分、操作をより簡単にし、パソコンやスマートフォンの扱いが苦手な方でも気軽に入力できるものとなっています。
実際にマスコミにも取り上げられ、一般生活に浸透しつつあるフィンテック技術を用いたアプリと言う見方もできます。
レシートの読み取りにも対応し銀行やクレジットカードの情報も自動取得できるようになっています。
また有料版は給付金の抽出機能が搭載され、家族構成や地域によるお得な給付金も検索することも可能で、家計のサポートをしてくれるアプリでもあります。
更に海外旅行などの出費の管理も可能で、世界各国の151貨幣通貨に対応可能、異なる通貨を相互に自動変換してくれるという優れた機能も搭載されているというのも特徴です。
FOLIO
AI(人工知能)を利用して主に株式の投資を行うことができるフィンテック技術を使用したアプリがFOLIOで、下記のような特徴があります。
- セクター買い・テーマ買い
- 固定された手数料
- 比較的低額から株式投資可能
- アプリから投資が可能
セクター買い・テーマ買いは、自動運転のセクターであれば関連した企業の銘柄を抽出し購入できるというもので、テーマ買いは人工知能と言うテーマで検索を行えば、それを手掛ける企業が検索されて、それらを買うことができるというものです。
手数料も2019年8月現在購入した株の一律0.5%の手数料と分かりやすい仕組みになっているため、購入がしやすいのも魅力です。
更に単元未満株制度により少額でも株式を購入できる仕組みもあります。(通常100株以上買う必要があるところ、1株から購入できる買い方)
そのため10万円程度あれば10社に投資することも可能です。
そんな機能をスマホのアプリで実現できると言うのがこのFOLIOなのです。
STREAM
STREAMは株式の現物取引ができるアプリです。
気軽に株の売買ができるようにしたアプリで、このアプリを使えば株の売買手数料を無料で行えるという画期的な仕組みを持っています。
さらにSNS機能や株式の検索の容易さ、そして株式専用の特定口座(株取引で得た利益の申告・納税手続きが簡易的になる口座)もアプリ上で利用できると言う便利さがあります。
コミュニティポイントが貯まると言うのもフィンテックを利用したアプリらしい特徴です。
SNSで発信を行うほど、ポイントがたまり、優遇が得られるという仕組みを採用しています。
このように敷居の高い株取引に気軽さと便利さを追求したアプリがSTREAMなのです。
ONE TAP BUY
One Tap BUYもSTREAM同様に株式の取引が行えるアプリです。
こちらは初期投資の金額が1,000円からとなっており、お小遣いでも利用できるアプリとなっています。
さらにアプリ内で株の投資に関する情報を学ぶことができるので、気軽に始めて徐々に学んでいきながら投資額を増やしていくということも実現可能です。
また、米国株などの海外株も扱っていますから、日本以外の企業にも投資することができるという魅力があります。
投資できる銘柄がやや限られていたり、手数料がかかると言った点もありますが、投資銘柄は誰でも聞いたことがあるような日米の大手企業(Amazonやトヨタ自動車、マクドナルドや資生堂など)で分かりやすく、手数料も0.5~0.7%と比較的安価に設定されています。
トラノコ
トラノコは長期分散投資ができるフィンテックを利用したアプリです。
毎日のおつりを自動で投資に回せる「おつりで投資」と言う機能が特徴で、なんと5円から投資ができるという気軽さな上、ポイントやマイルも投資に回せるというアプリとなっています。
日米株式や債券、新興国への投資や商品市場の投資と言った本格的な資産運用を行うことから、気軽なアプリと言ってもあなどれない特徴を持ちます。
ただし、月額料金がかかることと、手数料も0.3%程度発生するという点に注意が必要です。
Stock Point
STOCK POINTはポイントで投資が行えるアプリです。
投資先は、国内株式はもちろん米国株式(ETF)と上海株式(ETF)、投資信託や為替(米ドル)、不動産(REIT)や仮想通貨にも対応しており、ポイントで楽しむ投資アプリとは思えない充実度です。
投資しているポイント数が1株分以上となれば、実際の株式と交換することも可能で、ポイントで株式を買うことができてしまうというのも特徴です。
さらにこれらの取引は全てスマホアプリで可能となっています。
まとめ
フィンテックは金融の革新的な技術や金融の秩序そのものを破壊し、新しい世界を作り出す技術です。
今回紹介したフィンテック技術を利用したアプリはほんの一部で、今も国内外のどこかで新たなフィンテックのプロジェクトが立ち上がっています。
そんなフィンテック技術は、すでに日常生活でも利用されているものもあり、今後その進展によって今までの金銭や資産の管理、運用が一新されるポテンシャルを持った技術と言えるのではないでしょうか。
ただ、この新しい技術や金融の革新は様々な恩恵だけでなく、新しい技術ゆえに開発者も想定しえない悪影響を社会に及ぼす可能性もあります。
そういったことを理解し付き合っていくことが、フィンテックを利用し豊かな生活を手に入れるための近道と言えるでしょう。