仮想通貨の匿名性が高いコインの種類と将来性

仮想通貨の中でも際立った特徴を持つ匿名性が高い仮想通貨達。

日本でも2017年終わり頃までコインチェックで取り扱いがあったことから、知っている人も多いでしょう。

しかし、匿名性が高い仮想通貨という理由で、金融庁からコインチェックは指摘を受け、匿名性が高い仮想通貨達を上場廃止にしたのも事実です。

本記事では、匿名性が高い仮想通貨とは一体何か?

メリット、デメリット、そして匿名性が高い仮想通貨の種類及び、将来的に普及する可能性まで徹底的に解説しますから、匿名性が高い仮想通貨に将来投資をしようか迷っている人はぜひ参考にして下さいね。

仮想通貨の匿名性とは

仮想通貨における匿名性とは、自分自身のプライバシーを明かさずに取引を行うことです。

通常、仮想通貨のウォレット間、あるいは取引所と売買をする時に、会員登録をして相手先に自分の身元を明かします。

しかし、匿名性に特化している仮想通貨の場合、自分自身のプライバシーを相手に伝える必要がありません。

つまり、完全に誰と取引がしたか、第三者(取引所等)に明かす必要がないということです。

匿名をもう少し掘り下げてみると、Wikipediaには以下の様に記載してあります。

匿名(とくめい)とは、何らかの行動をとった人物が誰であるのかがわからない状態を指す。自分の実名・正体を明かさないことを目的とする。

各人の匿名性を保証することにより、各人のプライバシーが保護できるという利点がある一方で、匿名である事に隠れ蓑にして悪事を行われかねないという欠点がある。

各人のプライバシーが保護されるという匿名性の利点を最大限に生かせる行為として、告発がある。 匿名性が保証された方法で権力者や企業の不正を暴露することで、告発者が不当な弾圧や差別を受けることなく不正を公にすることができる。

引用:Wikipedia

上記からも分かる通り、匿名とは取引相手が誰なのか誰にも分からない状態であるということです。

仮想通貨における匿名も、プライバシー保護の為に開発された仮想通貨が多いです。

匿名性に特化した仮想通貨のメリット

プライバシー保護

匿名性が高い仮想通貨のメリットと言えば、プライバシー保護が可能ということでしょう。

例えば、第三者に漏れてはいけない企業の情報や国の機密情報など、匿名性が高い仮想通貨を使用すれば外に漏れないというメリットがあります。

個人間ではあまり実感が沸かないかもしれませんが、例えば、IPアドレスが何かしらのタイミングで流出した場合には簡単に特定されてしまいます。

決して悪用をしてはいけませんが、下記で簡単に発見することができます。

IPアドレス/WHOIS検索・確認

IPアドレスやドメインから住所、組織、ISP、脅威、WHOISを検索または確認

引用:cloudcactuar

ですから、ネット上の情報が簡単にバレてしまう今日では、いかに匿名性が高いプライバシー保護が大切が分かりますね。

匿名性に特化した仮想通貨のデメリット

ブロックチェーンの基本原理を無視している

プライバシー保護ができることができる匿名性の高い仮想通貨ですが、そもそもビットコインが開発された当初の目的である全ての取引記録を誰もが確認できるというブロックチェーンの基本原理を無視しているところです。

取引記録が確認できるというのは、いい面もあれば悪い面もあるということですね。

つまり、完全な匿名化はその透明性が失われることを意味していて、匿名性が高い仮想通貨は資金洗浄(マネーロンダリング)に悪用されることが懸念されています。

犯罪に利用される可能性が高い

先述した様に匿名性が高い仮想通貨は、資金洗浄に悪用されることが懸念されていますが、2018年初頭に580億円ものハッキング事件が起きたコインチェックNEM流出事件では、NEMを不正入入手した後、匿名性が高いモネロに交換され、その後ダークウェブに持っていかれ、結果的に580億円分の仮想通貨が全てハッキングされるという事件が起きています。

簡単にまとめると以下のようになります。

コインチェックからNEMをハッキング

NEMをモネロ(XMR)に変換

ダークウェブに持っていく

NEM財団が追究を打ち切り

ハッカー勝利

結果的にNEM流出事件の犯行は北朝鮮が行ったということが判明していますが、匿名性が高い仮想通貨を利用した悪質高いハッキング事件だったといえます。

もちろん、コインチェックNEM流出事件だけではなく、Zaifで起きた58億円のハッキング事件や世界中で起きている仮想通貨関係の犯罪も匿名性が高い仮想通貨が利用されていることが多いです。

このことから、匿名性が高い仮想通貨は世界中から懸念されています。

匿名性が高い仮想通貨の種類一覧

匿名性が高い仮想通貨のメリット、デメリットは多々ありますが、それでも匿名性が高い仮想通貨の取引は多く行われています。

時価総額ランキングでも上位に位置する仮想通貨も多々あり、その将来性に期待を寄せている人がいるのも事実。

ここから、匿名性が高い代表的な仮想通貨を8種類見ていきましょう。

Monero(モネロ/XMR)

Monero(モネロ/XMR)

Moneroは、時価総額という点で匿名性が高い仮想通貨の中では上位に位置している仮想通貨です。

匿名化のために採用している技術はステルス・アドレスとRingCT(Ring Confidential Transactions)というもので、トランザクションだけでなくウォレットも匿名で保つことが可能です。

国内取引所であるコインチェックでも取り扱いがありましたが、匿名性が高いという理由で、上場廃止になった仮想通貨でもあります。

通貨名 XMR
公式サイト https://getmonero.org/
おすすめ取引所

Dash(ダッシュ)

Dash(ダッシュ)

DASHでは、PrivateSendという機能を採用しています。

PrivateSendとは、ネットワーク上で送信されている他のコインと複数回コインをミックスすることにより、他のコインと区別できないようにする機能のことです。

また、DASHは決済スピードが速いという特徴もあります。

ビットコインが取引の承認に約10分かかるところ、DASHではなんと約1.3秒で承認が可能。

このため匿名性というだけでなく、実用性という点でもDASHは秀でています。

DASHもまた、過去にはコインチェックで取引が可能でしたが、匿名性が高いMonero同様に上場廃止になっています。

通貨名 Dash
公式サイト https://www.dash.org/
おすすめ取引所

Verge(バージ/XVG)

Verge(バージ/XVG)

VergeはTor、I2Pという2つの技術を用いて匿名化をしています。

上記の技術によりIPアドレスまで匿名の状態で取引が可能となっています。

そんなVergeの最大の特徴は、匿名・非匿名の切り替えができるところです。

この切り替えを可能とするのがレイス・プロトコルという技術で、コアウォレット4.0上で匿名機能のON・OFFを簡単に切り替えることができます。

Vergeは、匿名性が高い仮想通貨でありながら非匿名にもできるという点で、匿名通貨のマイナス面をカバーできる可能性を秘めています。

通貨名 XVG
公式サイト https://vergecurrency.com/
おすすめ取引所

Zcash(ジーキャッシュ/ZEC)

Zcash(ジーキャッシュ/ZEC)

Zcashでは、ゼロ知識証明という技術を採用しています。

ゼロ知識証明により、アドレスのほか数量や取引履歴などすべてのトランザクションデータを暗号化することが可能です。

Zcash自体もともと、プライバシーを重視するという名目で公開された通貨であり、他の匿名系通貨と比べても匿名性は非常に優れています。

通貨名 ZEC
公式サイト https://z.cash/
おすすめ取引所

PIVX(ピグウス)

PIVX(ピグウス)

PIVXではZcashと同様のゼロ知識証明を採用しているほか、coin joinという技術も採用して匿名化しています。

さらにPIVXはDASHのフォークであるため、DASHの強みである決済スピードの速さも引き継いでいます。

DASHの強みである決済スピードを引き継ぎつつ、Zcashの強みの匿名性を実現できているため、技術レベルは非常に高いです。

通貨名 PIVX
公式サイト https://pivx.org/ja/home_ja/
おすすめ取引所

Bitcoin Diamond(ビットコインダイヤモンド/BCD)

Bitcoin Diamond(ビットコインダイヤモンド/BCD)

BCD(ビットコインダイヤモンド)は、2017年11月24日にビットコインのハードフォークによって生まれた仮想通貨です。

開発チームは「THE BITCOIN DIAMOND FOUNDATION(ビットコインダイヤモンド・ファウンデーション」という匿名団体で、詳細はいまだ明かされていません。

ビットコインと比べて、「総発行枚数」と「ブロックサイズ」に大きな違いがあるのが特徴です。

通貨名 BCD
公式サイト http://www.btcd.io/
おすすめ取引所

 

Bytecoin(バイトコイン/BCN)

Bytecoin(バイトコイン/BCN)

BCN(バイトコイン)は、2012年7月に誕生した仮想通貨であり仮想通貨の中ではかなり初期から存在しています。

バイトコインは、匿名性をウリにしたオープンソースの分散型暗号通貨で、誰でもBytecoinのネットワークに参加し、通貨開発に参加することができます

通貨名 BCN
公式サイト https://bytecoin.org/
おすすめ取引所

Bitcoin Private(ビットコインプライベート/BTCP)

Bitcoin Private(ビットコインプライベート/BTCP)

BTCP(ビットコインプライベート)は、2018年3月にビットコインとZクラシック(Zcashから派生した仮想通貨)から結合ハードフォークして誕生した仮想通貨です。

ハイブリッド通貨と呼ばれ、Zcashの高い匿名性の機能と、ビットコインよりもブロックサイズが2倍あり、スケーラビリティ問題に関する配慮がされていることと、圧倒的に早い送金速度がある為、注目されています。

またBTCPは、オープンソースによって運用されていて、すべてのユーザーにシステムの詳細が公開されているのも特徴です。

通貨名 BTCP
公式サイト https://btcprivate.org/
おすすめ取引所

匿名性が高い仮想通貨の将来性

匿名性が高い仮想通貨の最大の売りとしてプライバシー保護といういわゆるセキュリティ面を強化することに特化していますが、犯罪に利用される可能性が高いことを考えると、将来的に普及される可能性はやや低い可能性があります。

日本で普及する可能性は低い

日本で考えれば、2017年に金融庁がコインチェックに匿名性が高い仮想通貨を上場廃止する様に指摘したことが高いでしょう。

コインチェックが扱いをやめるのは「モネロ」「オーガー」「ダッシュコイン」「Zキャッシュ」。マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与への悪用が「少しでも懸念される通貨を取り扱うのは適切ではないと判断した」と説明した。

金融庁は匿名性の高い仮想通貨を問題視している。コインチェックは、金融庁に仮想通貨交換業の登録を申請しており、4通貨の取り扱いを続けるのは難しいと考えたとみられる。

引用:産経デジタル

もちろん、日本だけで考えると上記の様に廃止があり、普及していく可能性が低いという見方が出来ますが、世界ではどうでしょう。

世界で普及する可能性は高い

日本だけで見れば低い匿名性が高い仮想通貨ですが、世界で見ると将来的に普及していく可能性が高いとの意見が強いです。

例えば、2018年10月17日にカナダで大麻が合法化されました。

長く違法とされてきた大麻の所持や使用を、合法化する動きが広がっている。

カナダは今年10月17日から医療用の大麻だけでなく、娯楽用の大麻の所持を合法化した。

全国規模での合法化はウルグアイに次いで2カ国目だ。

引用:GLOBE+大麻は取り締まるより合法化 カナダの壮大な社会実験、「選択と集中」の結果だ

大麻が合法化されたことにより、匿名性が高い仮想通貨が普及していくスピードが高まったして、eToroのシニアマーケットアナリスト、Mati Greenspanは次の様に述べています。

日本語訳
「これはほぼ確実にプライバシーコイン、特にカナダのDashとMoneroの使用を増加させるでしょう」

つまり、大麻(マリファナ)を合法化しているカナダやウルグアイにとっては、匿名性が高い仮想通貨は身元が判明しない為、利用価値の高いコインとして位置付けしていると考えれます。

とはいえ、世界中の国々から見ると大麻を合法化している国は少ない為、匿名性が高い仮想通貨が普及していく為にはそれなりに時間はかかるでしょう。

まとめ

個人のプライバシーの問題はインターネットが普及してから、加速度的に指摘されていますが、プライバシー保護の観点から考えるとやはり将来的には必要になるかもしれません。

しかし、犯罪に利用される可能性は高い為、国によって対応は違ってくるでしょう。

とはいえ、今後も匿名性が高い仮想通貨に関するニュースは出てきますので、気になる人は随時チェックをしておきましょう。

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