
CICCリサーチがアリペイの国際送金サービス
中国の大手投資銀行CICCリサーチが、アリペイのブロックチェーンを基盤とした国際送金サービス「AlipayHK」に対する評価レポートを発表しました。
CICCリサーチの評価を報じたのは、アジアに特化した仮想通貨・ブロックチェーンニュースメディア「グローバル・コイン・リサーチ」です。
同メディアによると、CICCは先日初めて、AlipayHKを利用した国際送金をテストし、雇用しているフィリピン人に対して月給の一部を支払いました。
CICCリサーチは以下のように「AlipayHK」を評価しています。
【日本語訳】
香港の傘下グループ全体で201,090人の従業員が存在する。
もし彼ら全員が、報酬の支払いをAlipayHKに切り替えたら、年間1億香港ドルを節約することができます。
AlipayHKは24時間365日の送金に対応し、国際送金スピードを加速します。
また、伝統的な国際送金規格SWIFTと比較して、それは時間とコストの両方で比較的優位性を持っている。
14億円の節約を実現するAlipayHKとは
AlipayHKは、中国を拠点とする世界的な巨大企業アリババが運営する、決済企業アリペイが提供している国際送金サービスです。
AlipayHKは2018年6月に行われたテスト送金の際に、わずか3秒のうちに決済を完了させるという結果を残したことで注目されました。
テスト送金は、香港を拠点とするアリペイ社とフィリピンを拠点とするGキャッシュ社との間で行われたものです。
この結果を受け、アリババのジャック・マーCEOは次のようにコメントしています。
ブロックチェーンは、仮想通貨のように一瞬でお金持ちになれるような技術であってはいけない。
銀行口座を持たない人々が世界には約20億人いるといわれているが、そのほとんどがスマートフォンを所持している。(仮想通貨決済は銀行口座を所持している必要は無い)
ブロックチェーンが人類の未来に及ぼす影響は、我々の想像をはるかに超えている。
日本の参議院議員である藤巻健史氏もジャック・マー氏と同様の見解を示しており、
先日の国会(参議院予算委員会)では、以下のような持論を展開し安倍総理に詰め寄る場面も見られました。
世界には20億人ほど銀行口座を持っていない人がいらっしゃるんですよ。
20億人が銀行口座を持っていなかったら、世界から除外されちゃう訳ですよ。(中略)ブロックチェーンは、日本企業がGAFA対抗できる唯一の手段です。
目の前に巨大なビジネスチャンスがあるのに、税制とかで押し下げちゃって、成長をブロックしていると思うんですけど、どう思われますか?
リップル社の国際送金サービス
アリペイと同様に、ブロックチェーンを利用した国際送金サービスを提供している企業の1つに「リップル社」があります。
リップル社はxCurrent、xRapidなどの国際送金サービスを提供しており、それらのサービスを利用する企業(リップルネット加入企業)はすでに世界200社を超えています。
リップル社が提供する国際送金サービスxRapid関連で話題になったのが、先日のイギリス・MercuryFX社による送金テストです。
MercuryFX社は1月1日、メキシコのMustard Foods社に86,633メキシコペソ(約50万円)の送金を行い、わずか数秒のうちにそれが完了したことを報告しました。
1/1 We've made our largest payments across RippleNet using #XRP – 86,633.00 pesos (£3,521.67) from the U.K. to Mexico in seconds. pic.twitter.com/WsHJuZTiOy
— Mercury-fx Ltd (@mercury_fx_ltd) 2019年1月17日
また、MercuryFX社は今後100万ドル(1億円超え)規模の国際送金テストを行う予定があることも、自社のHPで明かしており、注目が集まっています。
世界的な巨大企業であるアリババや、SWIFTとの性能勝負で勝っているリップル社など、様々な企業がブロックチェーンを利用した国際送金サービスの開発に注力してきている現在。
SWIFTを規模・性能で圧倒し、世界的な国際送金規格となるサービスを実現するのはどの企業なのでしょうか。今後も目が離せませんね。
【参考文献】